スチールプランテック株式会社は、2017年11月に策定された中期経営計画の中で「業務プロセス改革」を掲げました。同社企画管理部 経営企画室の櫻井 まゆ 氏は、「業務効率化、業務品質向上を実現するため、業務プロセス改革の一つとして、RPA導入がテーマに掲げられた」と話します。
RPA導入前には大きく、「業務の見える化ができていない」「ホワイトカラーの定型業務に担当者の固定化、属人化があった」「他の部門の業務内容を知る機会が少ない」という3つの課題がありました。こうした課題に対し、2018年4月に経理、人事総務、調達、営業、技術部門な どの女性社員により、「ロボガール」と称するRPAワーキンググループ(WG)が発足。同社企画管理部 経営企画室 室長の広瀬 友行 氏は、WGではRPA 導入の「目的と手段の明確化」を行ったと話します。
広瀬 氏は、RPA導入の目的として「定型業務削減で生み出された時間で一人ひとりがモチベーションアップできるような環境を作ること」とともに、「RPA導入によりスキルアップのための時間を創出し、女性社員活躍の機会を拡大すること」が掲げられたと説明します。 WGでは業務プロセスの洗い出し、見直しを行い、RPA適用業務として約60業務をピックアップ。その中から改善手段の仕分けなどを行い、RPA対象業務を絞り込んでいきました。
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ロボガール活動を通じて得られた知見、業務効率化に貢献した実績で周囲の評価も変わります。 RPAは社員のモチベーションアップと業務効率化を両立するツールだと感じました」
お客様の成果
44台
稼働中のロボット数
2740時間
削減効果 (年間)
並行してRPAツールの選定を実施。櫻井 氏は「Automation Anywhere含め3社のRPAソリューションをトライアルした」とし、「自社システムとの連携性」「専門知識を持たない担当者でも扱える操作性の高さ」などのポイントで比較検討したと話しました。
Automation Anywhereが優れていたのは、1つめは「操作のしやすさ」で、2つめは「エラーが起きたときの停止理由がわかりやすい」点でした。また、録画記録ができるなど「性能面の優位性」に加えて、パートナーであるコムチュア株式会社の技術支援の手厚さも特筆すべきものでした。
質疑に対するスピーディな回答だけでなく「内製化を見据えていたので、導入後も、ボットの作成について定期的にハンズオン形式の技術勉強会を開催するなどの提案を行ってくれたのが心強かった」と櫻井 氏は述べました。ランニングコストなどの費用面を総合的に勘案して、2018年10月にAutomation Anywhereの導入が決定しました。
自動化されたプロセス
今後は「2022年度の当社のビジネスプランの中に『リスキリング』というキーワードがある」と し、リスキリングに適したRPAに参加する人をさらに増やしていきたいと櫻井 氏は話しました。
また、エンジニアリング業務管理を担うPMS(プロジェクト管理システム)をはじめ、システム間連携にも積極的にRPAを活用し、業務改善のツールから、「今後はシステム間連携による、さらなるデータ活用の領域にもユースケースを広げていきたい」と広瀬 氏は話しました。そこで、「今後も社員のスキルアップのためのサポートを継続的にコムチュアにお願いしたい」と のことです。
最後に、DXや社内の業務改革に課題を感じる組織にアドバイスとして、櫻井 氏は「業務改革はすべての社員の取り組みだ」とした上で、「RPAは成功体験を積み重ねやすく、導入効果を実感しやすい」と、意識の変化と向上に活用してもらいたいと話しました。
広瀬 氏は、「当社の場合、削減時間に目標をフォーカスせず、個人のスキルアップにフォーカスした目標設定を行うことで、改善への前向きな意識を醸成することができた」と話し、RPAを社員のモチベーションアップと業務効率化を両立するツールとして活用してほしいと締めくくりました。
お客様の声
「ロボット作成のノウハウが蓄積されることで、業務改善に関する考え方、意識が変わり、『自分たちで改善できる』という社内風土の変革にもつながっていきました」
製鉄プラントエンジニアリングメーカーであるスチールプランテック株式会社は、「業務プロセス改革」の一環としてRPA導入を決定。2018年度に女性社員6名により RPAワーキンググループを発足し、「ロボガール」と称してRPAの活用を進めています。