同社は、かねてより企画・分析など本来業務に注力できる環境を目指した業務改革を検討していました。同社RPA推進室 舛田 和也 氏は、「従業員が日常的な定型業務に忙殺され、なかなか業務改革がうまく進まない課題があった」と話します。そこで定型業務の自動化にRPA導入が検討されました。舛田 氏によると「2018年末に1~2の業務で試して成功したため、2019年初頭から本格検討を開始した」ということです。まずは各部業務の課題を洗い出しいくつかの業務を対象にテスト導入を行い、効果を検証するとともに、RPA専門の推進部署として2019年4月にはRPA推進室が発足しました。
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「サーバーにアップロードされたロボットなどのファイルを管理するリポジトリ機能など、ロボット管理機能の使いやすさが決め手となりました」
お客様の成果
80
の部署で RPA を導入、年間約
35,000
時間の削減実績
RPA ツールの選定は、2018年第3四半期ごろから開始されました。同社RPA推進室 岸保 安里沙 氏は、「複数の候補から、当初はユーザー開発よりもIT部門による開発に重点が置かれていたため、機能面から最終的に2製品に絞った」と説明します。
同社のシステム子会社の検証結果とその評価を参考にAutomation Anywhereの選定を決めました。舛田 氏は「ロボット管理機能では、サーバーにアップロードされたロボットなどのファイルを管理するリポジトリ機能など、管理機能が使いやすいと感じた」と「RPAの管理面の優位性」を決め手に挙げました。
また、ロボット開発機能も、条件分岐などの処理の追加など開発の過程が視覚的に分かりやすく表示されるため「作ったり修正したりするのがやりやすい」というのも決め手となったポイントです。
こうして、「Automation Anywhere Enterprise」は、2018年第4四半期よりパイロット導入されることとなりました。具体的には、国内外のグループ会社の業績を集計、連結して表にするなどの経営企画部の定型作業の自動化に取り組んだということです。
その結果、「RPA化以前は月間で約20時間要していた作業が約30分に短縮され、経営会議直前には丸一日以上を要する作業が大幅に軽減された」と岸保 氏は話します。
自動化されたプロセス
今後の展望について舛田 氏は「国内だけでもグループ会社が数多くあるため、特に販売会社における業務課題の解決に応えていきたい」と話します。特にユーザー部門での開発を進めていくために「動画をはじめとしたコンテンツの発信、また、すでにRPAの教育、研修を受講 したものの休眠状態にあるユーザー開発者に対する再研修の促進などのテーマに取り組んでいきたい」と岸保 氏は述べました。
廣田 氏は、さらなる業務改革に向け、紙の帳票類のデータを自動で抽出可能な「Automation Anywhere Document Automation」も、本格導入に向けた検証に取り組んでいる段階とのことで、Automation Anywhereに対して、今後も業務改革のパートナーとして支援を期待したいと話しました。
お客様の声
「これまで出社前提の定型業務が、RPA化により在宅でも可能になり、柔軟な働き方に対応することが可能になりました」
「全社展開にはユーザー部門での開発体制確立が重要です。研修受講済みのユーザー開発者への再教育の促進や、RPAの教育コンテンツの発信など、様々なテーマに取り組んでいきたいです」
1909年(明治42年)創業、独自のゴム技術を生かし、タイヤ事業からスポーツ事業、産業品事業まで多岐にわたる事業を展開する住友ゴム工業株式会社。グローバルに広がる開発・生産・販売体制を基に、2025年までの中期計画では「高機能商品の開発・増販」「新たな価値の創出」「ESG 経営の推進」3つのバリュードライバーに注力しています。