新しいテクノロジーの導入を検討する際、最高情報責任者は多くの疑問を抱くことになります。その中でも最も重要なものは次の 2 つです。1) ビジネスで結果が出るまでにどのくらいの時間がかかるのか、そして 2) ユーザーにとってどの程度負担がかかるのか。
ロボティック・プロセス・オートメーション (RPA) のような革命的な最新テクノロジーともなると、ビジネス上のリスクに対する不安も大きくなります。そこで重要な疑問が 3 つに増えます。このテクノロジーの導入が失敗した場合に、ビジネスに悪影響が及ぶ可能性があるのかという疑問です。
リサーチ・アドバイザリー企業である Forrester は、オートメーション・エニウェアの顧客企業 5 社を対象に、これらの疑問を含めた詳細な総合的経済効果 (TEI) 調査を実施しました。対象企業の Automation Anywhere Enterprise プラットフォームの使用経験は 9 か月から 60 か月でした。
RPA に関する研究結果
この研究のために、Forrester は Automation Anywhere Enterprise への投資について測定可能なメリットとコストを実証する目的で、ある組織を作り上げました。この組織では 3 年間で、リスク調整後の現在価値として 1,320 万ドル以上に相当するの価値が得られました。
総合的な結果: 導入による混乱が落ち着いた後、各社で短期間での投資回収 (12 か月未満) が期待できます。また、すべてのメリットとコストを考慮したうえで、各社は 3 年以内に RPA への投資に対して 262% という前例のない優れた収益率を達成しています。
さらに、収益の大部分は、効果的に再配置された従業員が価値の高い作業を行ったことで生み出されており、この研究を通じて、RPA の導入は一般的にビジネスにとって低リスクであることが実証されました。
この点を視野に入れ、Forrester は RPA によるメリットを次の 4 つの領域に区分しました。
- デジタルトランスフォーメーション
- コンプライアンスおよび監査のコスト削減
- スタッフの再配置によるビジネスプロセスの改善
- エラーの低減
これらについて 1 つずつ解説していきます。
デジタルトランスフォーメーションによる収益機会の増加
聞き取り調査を受けた企業のほとんどは、デジタルトランスフォーメーションの完了過程にありました。各社によると、Automation Anywhere プラットフォームによってそのプロセスは加速しています。
具体的には、各社で以前 Automation Anywhere プラットフォームがなかったころは実現できなかった新しい収益を得ることができました。その理由としては、各社がそれぞれの顧客向けに製品やサービスを新規発売または拡充したことや、各種プロセス (データ入力と移行、請求書とクレジットの処理、売上表の更新、発注書の発行と請求書の受領、請求書の照合、在庫の評価など) を自動化したことが挙げられます。
デジタルトランスフォーメーションの結果得られた利益の総額は、110 万ドルでした。
コンプライアンスおよび監査のコスト削減
聞き取り調査を受けた顧客企業によると、オートメーション・エニウェア の RPA ソリューションはコンプライアンスと監査において幅広いメリットを提供しています。まず、人的エラーを取り除くことでコンプライアンスのリスクが軽減されます。これは大きな成果です。
次に、規制プロセスの標準化と自動化を通じてコンプライアンスのリスクが軽減されます。また、法的要件を満たすようにデータを追跡および管理できます。そして、厳格な規制要件を満たし、サーベンス オクスリー法、医療保険携行可能性/執行責任法 (HIPAA)、一般データ保護規則 (GDPR) などの業界標準の枠組みに準拠できるようになります。
コンプライアンスと監査に関連した節約によるメリットは、総額 270 万ドルとなりました。
プロセス改善に重点を置いたスタッフの再配置
興味深いことに、RPA の導入により生じた定量的メリットのほとんどは、ユーザーそのものに起因しています。反復的な手動タスクの手間から開放されると、従業員はビジネスにより多くの価値をもたらす仕事に取り組むことができます。
Automation Anywhere に投資することで、組織は生産性を高めるとともに、拡張性と復元性に優れた柔軟なデジタルワークフォースを備えて、顧客サービスを大幅に向上させています。
プロセスの改善による利益の総額は、830 万ドルに達しました。
エラーの低減
調査対象の企業では、データを異なるシステムに再入力する作業を手作業で進めており、データ処理のエラーに悩まされていました。オートメーション・エニウェアの RPA を使用することで、エラー率の大幅な低下と運用効率の向上が実現し、全体的なカスタマー エクスペリエンスが向上しました。また、リソースをより付加価値の高い活動に改めて割り振ることができるようになりました。
今日では、Bot が記録にエラーがないかを継続的に検索し、ルールベースのシステムでエラーを解決してから、適切な人のユーザーに解決を E メールで送信した時点でワークフローが完了となります。
エラーの大幅な低減による利益は、110 万ドルとなりました。
低いリスクで高い価値を実現
ビジネスユーザー向けに設計された Automation Anywhere Enterprise は、企業にとって使いやすいプラットフォームで、迅速に導入でき、複雑なプロセス シナリオに適用できます。
代表的な例: TEI 調査において、Forrester は RPA プロジェクトの懸念となるリスクを考慮し、それらを定量化しました。リスク調整後のコスト、利益、および投資収益率 (ROI) は、説得力あるビジネス ケースを示しています。これにより企業は、RPA への全社規模での投資はリスクが低く、得られる価値が高いことに確信が持てるでしょう。
3 年間で 262% という ROI は高く評価される結果です。