人工知能 (AI) とロボティック・プロセス・オートメーション (RPA) には多くの共通点があります。どちらも注目が高まっていて、大企業での導入も年々加速しています。これらのテクノロジーは、どちらもデジタルトランスフォーメーションを目指す企業に革命をもたらします。しかし、これまではどちらも組織内で縦割りされていたため、適切に展開するには高度なスキルを持った貴重な技術者が必要となりました。
AI と RPA の両方のテクノロジーを組み合わせて生まれるインテリジェント オートメーションは、迅速なエンドツーエンドのビジネスプロセスの自動化をはじめとするさまざまなメリットをもたらします。
長年使用されてきたテクノロジー
人工知能自体は 1960 年代から開発されており、それまで人間の知能を必要としていたタスクを実行する機械、特にコンピューターが人工知能と呼ばれていました。今日ではさまざまな業界や環境で使用されているソリューションに AI が搭載されるようになり、人々の生活や仕事を変えています。
タスクの自動化
ロボティック・プロセス・オートメーションの「ロボティック」という言葉は、物理的なロボットや AI ロボットのことではありません。日常的な定型タスクやプロセスを自動化することで人的エラーを減らし、生産性と効率を大幅に高めるソフトウェア ロボット、別名「Bot」のことです。
RPA Bot はあらゆるルールベースのタスクを自動化します。さらに、データのコピー/ペースト、ファイルやフォルダーの定期的な移動、Web ブラウザのスクレイピング、フォームへの入力、ドキュメントからのデータの抽出なども行えます。
Bot は RPA スキルを持った従業員により指定されたルールに従うか、搭載された AI 機能を使用してタスクを実行します。RPA は人事、金融・証券、医療、サプライ チェーン管理、カスタマー サービス、会計、データ入力など、幅広い分野での効率化に役立ちます。
今日のプロセス オートメーションには次のような特長があります。
- 使いやすさ - 容易に設定し稼働させることができます
- 柔軟性- 組織の様々なニーズに対応できます
- 業務の継続 - ワークプレイスへの大規模な変更は必要ありません
- スケーラビリティ - タスクの増加に応じて拡張できます
- 集中管理 - すべての Bot を 1 ヶ所で制御できます
- 覚えやすさ — プログラミングの専門知識は必要ありません
- セキュリティ - 強固でエラーの余地のない安全対策
AI と RPA の使い道
人工知能とロボティック・プロセス・オートメーションには多くの共通点があるものの、これらはそれぞれ異なるテクノロジーです。RPA は非常に効率的でありながら、ユーザーやプログラマーの指示に従うことしかできません。一方 AI は自ら学習することができます。RPA はあらゆるルールベースのタスクを自動化でき、AI は RPA で対応できないギャップを埋めます。
RPA は構造化データを処理します。AI は、文字やスキャンされたドキュメント、Web ページ、PDF などに含まれている半構造化データや非構造化データから情報を収集するために使用されます。AI の価値は、データを処理し、RPA が使用できる構造化された形式に変換できる点にあります。
AI と RPA の統合とそのメリット
この 2 つのテクノロジーを統合することで、それぞれの欠点を補完し、より広範なタスクに対応できる、インテリジェント オートメーション プラットフォームが生まれます。これにより、フロントオフィスやバックオフィスのあらゆるビジネスプロセスを自動化し、人間と Bot が 1 つのチームとなり業務を分担できるようになります。
RPA と AI を 1 つにまとめて使用するメリットには、次のようなものが挙げられます。
- ワークフォースの生産性の大幅な向上
- 骨の折れる、面倒で不満の種となる繰り返しのタスクからのワークフォースの解放
- ワークプレイスから人的エラーをなくすことによる最善の結果の達成
- データのより効果的な管理とコストの削減
- カスタマイズ可能なダッシュボードと報告機能によるプロセスの完全な把握
AI と RPA がプログラマーにしか利用できない時代はもう終わりです。このテクノロジーはインテリジェント オートメーションという形で、ビジネスユーザーでも簡単に利用できます。