納品遅延を回避するために新しく構築したプロセスをすぐRPAで自動化してコロナウイルス対応のイレギュラー業務を大きく軽減
オートメーション・エニウェア・ジャパン株式会社は、コニカミノルタジャパン株式会社が当社の RPA ソフトウェア「Automation Anywhere Enterprise」を活用して、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で突発的に発生した複合機納品の物流業務について、短期間のうちに自動化を構築して対応し、事業への影響を最小限に抑えることができた事例をお知らせします。
コニカミノルタジャパンでは、国内市場が年度末になる3月に向けて複合機の受注・納品が繁忙期を迎えます。例年、営業担当者が受注した内容をシステムに入力して、物流部がその内容を確認しながら製品の配送手配、納品日時のスケジュールが立てられます。
ところが今年は2月から新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、中国から入荷していた一部商品の納品が突然滞りはじめました。その一方で受注は入り続けていたため、システムと連動させていた物流プロセスを変更しながら進めなければならない事態が発生しました。そこで物流部は、スタッフが受注内容と商品在庫を1件ずつ確認しながら優先順位を決めて受注出荷業務を継続させました。同部はこの方法で一日400件を受注出荷しましたが、この処理は人手で通常の5倍~8倍程度かかり、残業でカバーせざるを得ない状況となりました。そしてこの間も受注は続いていたため、3月末に向けて納品が遅れることが懸念され始めました。
間もなく同社内では、この突発的な事態を早急に打開して3月末までの納品への影響の最小化と、情報の流れをスムースにすることを目標に、一部の物流作業をRPAで行う検討が始まりました。同社ではすでに「Automation Anywhere Enterprise」を利用していたため、推進役のデジタルワークフォース事務局が中心になってプロジェクトが始まりました。このプロジェクト関係者は3月上旬に業務の合間を縫って打ち合わせを行い、課題を確認して新しい業務プロセスを構築した後、Botの開発をスタート。運用テストを経て約10日でBotを完成させました。
このプロジェクトで開発されたBotでは、まず受注システムから受注データの一部を抽出して一覧表を作成し、在庫状況を記した在庫調整リストを照らし合わせてチェックします。そしてチェック後の生産リストを物流部担当者にメールで送信するまでのプロセスが自動化されました。
Botの開発にあたっては、できるだけ早く運用を開始して年度末の納品が遅れないようにすることを念頭に置きました。そして開発とテストにかかる時間を抑えるため、機能要件すべてをBotに組み込んで完成させるのではなく、プロセスの一部に人の作業を入れ、役割を分けて柔軟に運用することにしました。また、RPAをコニカミノルタグループ全体で統括するグローバル事務局がグループ内で動かすBotのスケジュールを調整して、物流業務がより円滑に進められるように協力しました。こうして関係者の打ち合わせから開発、運用開始までの作業を短期間に収めることができました。
Bot運用後は、手作業で1日12時間かけていた処理時間を85%削減することができました。これは年間換算すると2,460時間の削減効果になります。これによりお客様や事業への影響を最小限に抑えることができました。今回自動化した業務プロセスはその後の工程と合わせて自動化できる可能性があったため、現在も継続して利用されています。
今回は新型コロナウイルス感染症拡大に端を発した急激な事業環境の変化により、突発的に対応しなければならない新しい作業が発生した事象ではありましたが、繰り返し作業を短時間のうちにRPAに置き換えられたことにより、生産業務を継続することができた例となりました。
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