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CxO シリーズの第 1 回目では、LinkedIn の Ben Crist 氏と Nischal 氏に、自動化プログラムを立ち上げてから、価値のマッピング、追跡、測定がどのように行われてきたかについてお話を伺いました。両氏は、有形無形のメリットをアピールする (認める) ことの重要性や失敗から学んだ教訓など、貴重なインサイトを提供してくださいました。

まずは、お一人ずつ簡単な自己紹介をお願いします。ご自分の経歴と LinkedIn での現在の役割について、少し教えていただけますか?

Nischal: 私は、市場開拓事業における自動化プロジェクトの責任者であり、オペレーション戦略 & イノベーション チームに所属しています。LinkedIn には 3 年前に入社し、その前はオートメーション・エニウェアに 1 年間在籍して、自動化プロジェクトの管理を担当していました。自動化に関する経験は 7 年近くになります。LinkedIn で RPA プロジェクトを開始した当初は、ノート パソコン上で 1 つの Bot を実行して、いくつかのメディア オペレーション業務を行っていました。その後、70 以上の自動化を実現し、7 万時間近くを削減することができました。このような目に見えるメリットだけでなく、質的なメリットも達成することができました。

Crist: LinkedIn には 8 年近く在籍しています。入社当初は、営業プロセスにおいて多数の運用チームを管理していました。この 3 年間で、業務管理の仕事を離れ、オペレーション戦略 & イノベーション チームの一員としてプロセスの改善に取り組んでいます。このチームは、プロセスの改善、自動化、意思決定科学、BI、AI のほか、グローバル事業組織向けの戦略的プロジェクトやベンダー プログラムを担当しています。

さらなる自動化についてのアイデアはどこから出てきたのですか? それはどのくらいの範囲を対象としているのですか? より広範なエンドツーエンドのプロセスを目指されているのでしょうか? 在職期間中にどのような変化が見られましたか?

Crist: 私たちがこのチームを立ち上げたのは、古いプロセスやシステムが多く使われており、ビジネスの方向性に合わせて最適化する必要があったためです。当社では基本的に、すべてのエンジニアリング リソースが、効率性や生産性向上プロジェクトではなく、収益を上げるためのシステムやプロセスの改善に集中していました。そのため、組織全体で数多くの手動プロセスを使用している状態でした。そこで、少人数のチームを結成し、自動化について学び、タスクを自動化するために何ができるかを検討し始めたのです。そして、自分たちが自由に使えるツール以外でどんなことができるか調べ始めました。最終的には、専門家を巻き込む必要があると考え、Nischal を採用し、自動化に特化したチームを作ることになりました。それ以来、彼のチームは 70 以上の自動化を成功させています。

Nischal: プロジェクトに着手する際は、まず「どうやって価値を測るのか」を考えます。これは、前もって決めておくことが肝要です。自動化プロジェクトを開始した際、最初の自動化の開発と並行して、成果を測定するためにダッシュボードを構築しました。当初対象にしていたのは、適正に標準化され、コンプライアンス、スピード、ソフト ベネフィットを LinkedIn 関係者に容易に説明できるプロセスでした。自動化によって完了したタスクはすべて、どの事業単位に関与しているか、どの CRM を使用したか、何時間削減できたかなどの具体的なメリットと共に、Tableau で追跡されました。ここ数年で、自動化が拡大するのに伴い、Tableau ダッシュボードは膨大になり、現在では 170 万件近いタスクが完了しています。私たちは概念実証を行ったところで、ロードショーを開始しました。「If you build it, they will come. (それを作れば、彼らはやってくる)」という名言にもあるように、長期的なビジネス インパクトを生み出すものを作れば、価値を求めているチームが手を差し伸べてくれます。その結果、今では組織全体にこの取り組みが広がっています。今後数年で自動化を進めたいと考えているパイプラインはたくさんあります。

うまくいかなかったことから学んだことで、今後やってはいけないと思ったことは何ですか?

Nischal: これまでに、たくさんの学びがあったことは間違いありません。私たちはプロフェッショナル ネットワークのプラットフォームであるため、初日からすべてのコンプライアンス状況を整理する必要がありました。それはとても時間のかかる作業でした。初日から本格的な IT インフラを構築できたわけではありません。6 ヶ月間維持できるものを構築し、それまでに構築したものから得た知識を活かしてインフラの刷新や再設計を続け、その価値を理解してもらう必要がありました。そこから、自動化プログラムの規模を拡大できるよう、インフラを拡張しました。私たちは、ノートパソコンで稼働するインフラでオートメーション 0.0 を開始しましたが、今ではすべてクラウド上でオートメーション 3.0 を展開しています。これは間違いなく私たちが得た最大の教訓であり、より持続可能なインフラを構築するための継続的な取り組みの一部でもあります。

今後 1 年ほどのグループのビジョンや機能転換については、どのようにお考えでますか?

Crist: 私たちは、Automation Anywhere の機能と、AI やハードコードされたアプリケーションを組み合わせて、プロセスの背後にある多くの頭脳を活用できるインテリジェント オートメーションへの移行を開始しました。今のところ、順調に進んでおり、非常に複雑なプロセスをエンドツーエンドで自動化できる可能性が出てきています。将来的に、12 ~ 18 ヶ月後には導入できると思います。チーム全体で持っているさまざまなツールと機能を組み合わせて、複雑なプロセスをより完全に自動化し、最初はトランザクション プロセスから、そしてバリューチェーンの上流へと進めていく予定です。

自動化や複雑なプロセスに対する取り組みを進めるにあたり、変更管理の観点から知っておくべきことがあれば教えてください。参考になるようなベスト プラクティスはありますか?

Crist: 自動化チームを運用チームに組み込みました。それは私たちにとって功を奏したと思います。運用リーダーが複雑なプロセスに直面すると、自動化が常に思い浮かぶからです。この方法でより多くの機会を見つけることができました。なぜなら、新しいことを始めようとしているときや、複雑なプロセスを改善するとき、自然と彼らの方から「これを解決するために自動化を使用できないか」と聞いてくるからです。

Nischal: ほかにもこの業界でよく耳にする課題として、価値を追跡することが難しく、ライフサイクルのずっと後の方になって、慌てて価値を追跡しようとするということがあります。これは大事な教訓です。私たちが 0 日目から提供し始めた最大の付加価値の 1 つは、自動化の価値を追跡する方法を決定したことでした。自動化の要請を受けたら、自動化による潜在的なメリットをすべて予測することが必要です。そして、実際に自動化した後に、自動化後の効果を追跡し、予測と導入後の効果にどのくらいギャップがあるか明らかにします。予測値に対して 75 ~ 80% の範囲内であれば、問題ないと思います。このような形で、私たちは一緒に仕事をしているさまざまな関係者に自動化の価値を伝えています。プロジェクトの次の段階は、ソフト ベネフィットをどのように追跡するかを追求することです。難しいですし、取り組みもまだ途中ですが、実現できると思います。

Crist: ベネフィットの追跡について補足すると、簡単な指標は時間の削減に関連する指標です。しかし、私たちが今推奨しているのは、自動化プロジェクトを収益増加に直接結び付ける方法です。そのため、営業チームの時間削減に向けて自動化または高速化できるプロセスについて話し合う際、私たちはどうすればそれを、自動化するアクティビティに直接左右される可能性のある予約の増加やノルマの増加につなげることができるかを知りたいのです。私たちは、自動化されたプロセスが売上に直接影響を与えていると、自信を持って言えるところまで来ています。今後も、このような自動化プログラムを組織全体に導入する正当性を示し、私たちの取り組みを拡大、成長させるために必要なリソースを確保し続けることができるでしょう。

そのような影響を示すことができたことについて、経営層はどのように受け止めているのでしょうか?

Crist: それが私たちの任務なので、非常に高く評価してもらっています。そのおかげで、人材の増員と採用を継続し、能力を高めたり、目の前にあるロードマップを加速させたりすることができます。時間の削減について言えば、それがビジネスにとってどのような意味を持つのか、なかなか理解してもらえないことがあります。そのため、完全に自動化された役割や、自動化に直接起因する実際の金額を示すことができれば、より具体的に感じてもらうことができ、組織全体で自動化への投資を継続するためのビジネス ケース構築にも役立ちます。

最後に伝えたい思いやアドバイスがあれば教えてください。

Nischal: スケールアップの取り組みに向けて、土台をしっかりと固めておくようにしてください。よく話題になるトピックの 1 つに、より少ないリソースでより多くの成果を達成する方法があります。より少ないリソースでより多くの成果を挙げるには、インフラ、ソフトウェア エンジニアリングのベスト プラクティス、再利用可能な資産などにおいて非常に強力な基盤を築いておく必要があります。超高層ビルの建設と同じことです。基礎がしっかりしていなければ、当然スケールアップはできません。そして、常に改善の余地があることを覚えておいてください。私たちは、条件やガイドライン、コンプライアンスなどの変化に合わせて、改善の余地がないかどうかを常に確認しています。Ben が言ったように、こうすることにより短期間でスケールアップができ、AI と統合されたより複雑なプロセスの実現が可能になりました。

Crist: とにかく、どこかから始めてみることです。一度始めれば、自動化がもたらす可能性と、本当の実力を実感できるはずです。テクノロジーはおそらく私たちが追いつけないほどのスピードで進歩しています。そのため、部分的にしか自動化できないと思っていたプロセスが、新しいテクノロジーによって完全に自動化できるようになったり、さまざまなテクノロジーを組み合わせて活用できるようになったりしています。自動化は長い目で見て、私たちと共に歩んでいくものだと思います。数年後、このツールでどんなことができるのか楽しみです。

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